「最大のデメリットは、最大のメリットにつながる」   

今週は、米めんの品質向上のために、とても重要な技術開発に取り組んでいる。

今回の技術開発のためには、特殊な原料が必要である。その原料は協会にしか無く、利用の方法によっては様々な可能性を引き出してくれる。予定通りの結果が出せれば、米めんの新しい世界が拓けるのではないか。

米めんは、小麦めんに比較してグルテンが無いため、めん造りには様々なハンディを背負っている。しかし、米の技術を様々な角度から検討することで、小麦めんにはなかった、米めんとしての可能性を開拓することができるのではないだろうか。

私は、物事の考え方の基準として、「最大のデメリットは、最大のメリットにつながる」と考えている。デメリットは、その特徴を活かす知恵が無いからデメリットであり、活かす知恵が見つかれば、デメリットからメリットへ変るものである。

米の生産調整も全く同じである。米を減らすために、畑作に不向きな所でも、畑作をすすめるために多額の補助金を交付してきた。それは、「主食用としては過剰である米を畑作に切り替え、食糧自給率を向上させよう」という、一石二鳥の政策で、40年間生産調整をすすめてきたが、その政策効果は決して高いものではなかった。

昨年からは、畑作に不向きな所では、主食用米以外の米の作付に補助金が付くようになったが、残念ながら、主食用以外の利用のため、その利用方法が決まらないと作付することもできず、広がりがみられないのが現状である。

それも当然である。日本には既存の加工用米の他に、米の新しい需要のための食文化が存在していないのだから。

国の言うように、小麦粉由来の食品に利用することができれば、大幅な市場が拓ける可能性はあるが、そのためのゴールは遠く、とても高いハードルをいくつも越えなければならない。

by a-wakui | 2010-03-24 17:44

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