「しがらみのない農村」   

大潟村の農家は様々なことに取り組んできたが、特筆できるのは日本の個人産直のビジネス化であろう。
大潟村で米の個人産直が急速に増えたのには理由がある。
大潟村は新生の大地であり、全国からの入植者が村を構成した。当然のことながら、一般の農村のようなしがらみのない農村ができた。

国の進める新しい農村は、しがらみのない農村を造ることでもあったので、その面は成功した。
しかし、しがらみのない農村は、自己主張の強い農村でもあった。国が進める減反政策は、一般の農村の古いしきたりや習慣を利用しなくしては達成できないものであった。
大潟村では、「米作りのために入植した」という強い信念が、国の減反政策と相容れなかった。そのため、減反政策に従わないことで、国に米の買い入れを拒否されるという結果を生むこととなった。

米を作り、その米を販売することで、土地代を払い、生活費や営農経費を払う必要があったが、国が米を買ってくれないとなると、離農しなければならないのだ。

by a-wakui | 2008-05-22 16:46

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