「本物の食糧政策」   

21世紀は、食の世紀であるとは20年以上前から言われている。20年前は食の時代だとは
言われても、言葉の重要性がよく理解できていなかった。

今考えてみると、現在60億人の人口は、アフリカやアジアの人口増により2050年には90億人になることが予想されている。反対に、世界の食糧増産可能な面積は、砂漠化により、現状より増やすことができないと言われている。

そのために、遺伝子組み換え技術により、食糧の飛躍的増産技術の開発を主張する国と、
自然環境を破壊することになると反対する国とが対立することになる。

世界は、現在でも食糧供給のバランスが悪く、片方に余る国がありながら片方には不足する
国がある。このまま人口が増え続けると、絶対的に食糧が足りなくなる。

日本は、世界一の食糧輸入国でありながら、主食用の米を減反し、先進国の中では食糧自給率が一番低い。そして、年間で1千万トンもの食糧を廃棄していると言われている。日本は今まで、お金さえあればいくらでも安い食糧が自由に輸入できると考えていた。しかしその空想は、世界情勢の変化の中で、夢物語であったことに気づかされることになった。

世界の変化は、日本のような食糧に対する認識が許される状況ではなくなった。
世界の状況が変わったのか、前からこうなることがわかっていたのかは別として、食糧に対する世界観が大きく変化したことは間違いない。

しかしながら、食糧に対する世界観の変化は、日本の食糧政策の再構築のために、本物の食糧政策が語られる舞台ができたと言えるだろう。

by a-wakui | 2008-08-03 09:17

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