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「農業の方向性」   

農業は1人ひとりの規模は小さいが、全部合わせると大きな産業である。ひとつの産業として関わる労働力は、男女合わせて250万人になる。

昔、石灰産業が崩壊した時、代替エネルギーは輸入原油を利用した石油製品に変わったが、日本の農業が崩壊したら、中国からの輸入農産物に変わるだけなのだろうか。
油がなければ農産物も生産出来なくなるが、油と農産物を同一次元で考える訳にはいかないだろう。

日本人の主食としての米や野菜を生産している農業の方向性は、統計上の数字以上に深刻な影響を与える。しかしながら、日本が長い間取り組んできた政策が、現在の農業の現実を創りだしている。
これからも、その方向性は変わらないだろう。地球温暖化の危機をどんなに声高に論じても、各国の利害関係が一致しないため、世界はひとつの方向に進まない。

農業の危機は日本人の食の危機でもあるが、輸入すれば良いという人もいれば、石油の方が重要だという人もいる。国内の利害関係も一致せず、結局、ひとつの方向にまとまらない。

# by a-wakui | 2008-04-24 16:39

「変化する労働力」   

NHKや朝日新聞で、食に関するニュースが報道された。
ひとつは、インドや中国が農産物の輸出国から輸入国に変わったため、タイやベトナムの米価が上昇しはじめたこと。もうひとつは、日本のレタス産地が、中国人労働者がいなければ産地を維持できなくなっているということだった。

中国人は、日本で7ヶ月働くと中国で4年分働いた収入になるという。また、驚くことに、日本人が呼びやすいように、日本名が付けられて来るという。
農産物も加工品も中国から輸入し、労働者も中国から来るという。一体、日本人は何をするのだろうか。

日本の若者は農業を嫌い、農業者は高齢化により過半数が65歳を越えたという。日本人の高齢化は農業界が一番早く、結果として、農村が高齢化社会を迎える。そして、中国人だけが日本の労働力になる。
食も中国に、労働も中国に、現実はもっと進んでいるのかもしれない。

# by a-wakui | 2008-04-23 14:29

「安心できるシステムの構築」   

消費者が安心できる農産物をお届けするには、それを生産する農家が安心して農産物を生産できる環境を作らなければならない。

私は20年以上「若者が夢と希望を持てる農業の姿を想像する」ということを考え続けてきた。
「若者が夢と希望を持てる農業の姿を創造すること」とは、「若者が安心して農業に取り組める環境を創造すること」ではないのだろうか。
現状は、農業に取り組んでも将来どうなるかわからないという不安があるから若者が農業に取り組まない。将来に安心があるなら、もっと多くの若者が農業に取り組むのではないか。

自然界で、大地に種をまき、作物を育てるということは、工場生産とは違い様々な障害を受けることもある。上手く育っても、市場価格の変動によって販売価格が生産費を下回る。
毎日毎日、大地に向かって作物を育てる全ての農家が、自分の農作物を上手に販売できるわけではない。
ほとんどの農家が販売をJAや市場に委託し、市場価格という見えない生き物に翻弄されている。
それが、何十年間と続いてきた価格の決め方である。需要と供給のバランスで決まる価格だから、最も正しい決め方かもしれない。しかし、最も正しいことだからといって、それが最も良いことであるわけでもない。
他に方法がないからやっているだけだ。

協会では、20年前から市場価格とは別の形で会員の皆様に価格を示している。そして、この価格に納得して頂いている会員の方にお米を購入して頂いている。
野菜でもこのようなことができないのか。生産者も納得し、消費者も納得し、双方が安心できるシステムができないのか。現在のJAや市場の機能を活かしながら、消費者と生産者の両方が安心できるシステムを構築するために、協会では、現在の協会の体制を大幅に改革し、現在のお米事業に野菜事業をプラスすることで、消費者と生産者の両方が安心できる食農応援体制の構築を進める。

# by a-wakui | 2008-04-22 16:05

「安心できる農産物」   

食べる側から見て、農産物は安心できるものでなければならない。
では、作る側から見て農産物とは何なのか。消費者に食べて頂くのだから、おいしく安全で、そして安心して頂けるものでなければならない。
しかし、本当にそれだけで良いのだろうか。

毎日毎日、朝から晩まで田圃の耕耘のためにトラクターに乗っているので、考える時間は山ほどある。考え始めたら止まらなくなる。何日も何日もこの問題を考え続けた。
そして気がついたのは、消費者が必要とする「安心できる農産物」をお届けするには、農家も安心して農産物を生産できる環境が整っていなければならない。農家が農産物を作っても生活できないようでは、誰も農業に力が入らない。

農家は収穫できるまで、風・雨・病気・虫害の心配をし、そして収穫できたら価格の心配をする。
最近では、外国からどんどん安い農産物が入ってくるので、1年間かけて育てた農産物の価格も下がり、生活の不安が常に離れない。日本の農家が農業をやめても、安い農産物は入ってくるかもしれないが、様々な問題も同時に起こる。

消費者に安心できる農産物をお届けするには、それを作る農家も、安心できる農業経営ができなければならない。

# by a-wakui | 2008-04-21 10:13

「低下する自給率」   

反対に、日本は若者の就農不足と農業事業者の高齢化で、自給率は40%以下である。日本の家畜の多くは、輸入飼料によって飼育されているので、輸入飼料がないと日本の畜産は成り立たなくなる。そうなると、自給率は26%くらいになるという。第2次世界大戦に負けた後よりも悪い自給率だ。
その現実が近づきつつあることが、近年の世界の情勢で実感できる。そんな中でも、日本の農業は減反政策が続き、農業に夢と希望が見いだせないでいる。

現在の農業事業者の構造では、10年後には1人で100ha以上耕作しなければ、日本人が食べる米さえ生産できなくなるという。
米でさえ生産を維持することが不可能なのだから、野菜の生産を維持することはもっと難しいことである。

農作物は口に入れるものであるから、おいしく安全で、そして安心できるものでなければならないと言われている。それは当然のことである。

# by a-wakui | 2008-04-20 09:47

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