「農業政策と農業問題」   

農業を考えることを「農業政策」とか「農業問題」とかいう。農業政策というと、農家のための政策と考えるが、本当にそうだろうか。

農業は食糧を生産する職業であるから、いつまでたっても農業政策は農家のための政策と考えられている。
しかし、本当は「農業政策とは食糧政策であり、農業問題は食糧問題」である。
食糧問題は、食べる国民の問題であり、国の問題でもある。日本の農業の衰退は、国民の食糧の生産力の衰退である。

国は、国の安定のために食糧の安定供給を最優先課題として考えなければならない。
そのために農業政策に力を注いできた。それなのに国民からの支持が低いのはなぜか。それは、農業政策は農家のための政策として考えられ、国民1人ひとりの食糧の確保のための政策だということが伝わっていないからではないか。

農業問題は、国民1人ひとりの食糧問題であり、国の最も大事な政治課題である。

# by a-wakui | 2008-07-17 18:17

「将来の日本の食卓」   

先日、週間文春に食糧問題の記事が出ていた。
その記事の中で、「今の農地面積と食生活を前程にすると、日本国内では3000万人分の食料しか自給できない」とあった。

また、農水省によると国産品だけの「平成27年の食卓」は、
「朝食~米1杯・粉ふき芋1皿・ぬか漬け1皿」
「昼食~焼き芋2本・蒸かし芋1個・リンゴ4分の1」
「夕食~米1杯・焼き芋1本・焼き魚1切れ」
みそ汁は2日に1杯、卵は7日に1個、肉類は9日に1食になるという。戦時中の食事と同じ内容だ。

自給率39%の国は、今まで通りの食事をすれば3000万人しか生きられないし、1億2000万人が生きようとすれば、このような食事になるということだ。

この話は笑い話なのか、夢物語なのか、それとも近い未来の現実なのか。それぞれの方がどのように考えるか。

# by a-wakui | 2008-07-16 16:08

「食糧不足と日本の現実」   

食物は、現在十分に足りている。スーパーの店頭にも、外食店にもドラッグストアにも、米穀店にもどこにでも十分に食物はある。
そして年間1千万トンもの食物を捨てているともいわれている。このような状況の中で、食物が不足する時代が来ると言っても説得力はない。

しかし、それが今年に入ってから、にわかに世界的な食糧不足の問題が多くなってきた。
国連の食糧サミット、日本で開かれた先進国サミットでも、食糧不足問題が議論されるようになり、そして世界中で食糧不足による暴動が起きていることも報道された。

食糧が十分にあるのは日本だけで、世界では食糧不足の時代が始まっていることに、日本人のどれだけの方が、気がついているのだろうか。
食糧があり余っているはずの日本の食糧自給率は39%であり、先進国では最下位だ。これが、世界でもっとも不思議な国、日本の現実である。

# by a-wakui | 2008-07-15 17:53

「共存できる価格」   

米づくりでも7月より肥料の値段が6割ほど上がった。農薬もビニールも、鉄管も油も全て上がった。一俵あたり1000円以上のコスト高になる。
しかしそのコスト上昇分をすぐに米価に反映させるわけにはいかない。米づくり農家も漁業者も悩みは同じだ。
単純に価格が上がれば、消費者にとっては買いにくく、同時に生活を圧迫することになる。

日本では長い間、世界中から安い食物が輸入され、価格が安いのが当り前で、価格の高い国産は不要であるとの風潮があった。反対に、少しでも物が不足したり、安全性に疑問を抱いたりすると、過剰に反応する場合が多いようだ。

国産であるといっても、消費者が購入できない価格ではだめだ。まして、生産者が再生産できない価格でもだめだ。「食物は食べる方がいるから作れる。まして作る方がいるから食べられる」。作る人も食べる人も、お互いに共存できる価格はどこなのだろうか。

# by a-wakui | 2008-07-14 10:09

「原油高の影響」   

日本全国の漁業者が一斉に漁を休業するという。理由は、漁をしても価格が安く、油の値上り分が赤字になるからだ。
漁業者は漁の価格を自分で決めることができず、価格は市場の競りで決まるため、漁に出ても赤字になる。

魚だけでなく、農産物も競りによって価格が決まる。価格の安い輸入品が大量に出回ることにより、輸入品をベースとした農産物で価格体系が決まっているので、日本の農業者も価格が合わず、野菜や果物の栽培をやめるようになった。
そして米も価格が合わないため、多くの農家が米づくりをやめようとしている。

漁業者が1日だけでなく1週間、2週間また1ヶ月間休業したらどうなるのか。世界中から魚が輸入されるのか。それともお店から魚がなくなるのか。その時、魚の価格はいくらになるのだろうか。魚の価格がいくらになれば良いのかわからないが、少なくとも漁に出るための経費がまかなえないようでは話にならない。

そのことは、魚だけではなく、野菜も果物も、そして米も同じことである。

# by a-wakui | 2008-07-13 09:23

「創業理念と経営理念」   

環境の変化は、何年待っても来ないことがあり、また、いつの間にか目の前にきていることもあるから、いつ環境の変化がきても良いようにしておかなければならない。

私は、今日の環境の変化に対応するため、あらためて創業理念と経営理念について考えた。
協会の創業理念と経営理念を磨き続けることができれば、どんな環境の変化にも対応できるのではないか。
それをどのように伝えるかは、広報上のテクニックであるが、創業理念と経営理念がしっかりしていないと、広報上のテクニックだけでは長続きしない。

しっかりとした理念と、その理念を実現するための設備、技術、人材、知識等の経営資源を総動員して、新しい環境に対応していける協会を創らなければならない。

明日から韓国に輸出するための米粉を利用した大福の生産がはじまる。
これも、協会の新しい試みの1歩である。

# by a-wakui | 2008-07-12 07:32

「経営の方向性」   

経営の方向性を変えることは、企業の大小にかかわらず、とても難しいことである。
協会としてもそれは同じことであるが、経営者として判断し、決断することができなければ、それはその企業の運命であるから、仕方のないことである。

私は60歳になった今、自分が判断し、決断しなければならないと考え、自分のエネルギーのあるうちに経営の方向性の改革に取り組もうと考えている。
それは、創業理念と経営理念にのっとった経営方針と事業戦略、また商品戦略をたてることであり、すでに着手しはじめた。

当然のことながら、商品は購入先があるので、購入先に打診しなければならない。そう簡単にできるとは考えていないが、協会の経営理念を説明し、その理念を理解して頂ける所としか取り引きができなくなることも仕方ないと考えている。

どんな小さな改革でも必ず対象者がでる。それは社内だったり、取り引き先であったりする。そのことを考えできる限り改革の影響を小さくすることも、経営者の責任である。

# by a-wakui | 2008-07-11 12:49

「新しい農業の姿の創造」   

協会では、平成7年に米ヌカ発酵肥料工場を建設、残留農薬分析システム、カドミウム分析システムも導入した。皆、時代の求めより10年以上も早く取り組んだ。そして15年たった今、連日のように、「食の安全と安心」に関わるニュースが流れてくる。

「時代より10年早い」という言葉があるが、私は15年早かった。そしてようやく、時代が追いついてきた。今こそ、協会が産地から消費地に、そして生産者から消費者に直接お届けすることで、新しい農業の姿を創造するという創業理念、そして「おいしく、安全で安心できる商品を安定してお届けする」ことにより、お客様に喜んで頂くという経営理念を全面的に押し出した経営ビジョンをたてる必要があるのではないか。

昨年末から続く食品偽装問題、中国食品の輸入毒物事件、そして最近の食糧不足問題。日本の歴史の中で、今程「食の安全と安心、そして安定供給」に対しての不安が高まったことはないのではないか。

# by a-wakui | 2008-07-10 10:24

「協会の方向性」   

協会では、国の農業政策の変化を感じながらも、協会の進むべき方向性は、その時々の農業政策の変化に影響をされない経営の確立をしなければならないと考える。
協会は、日本のどの量販店や食品メーカーにもない、「安全で安心できる20万俵の生産基盤を持つ食品メーカー」としての基盤の確立に全力を尽さなければならない。

協会では、その方向性の確立のため事業戦略や商品戦略の見直し、販売先の見直しなど、全ての見直しに着手し始めた。その見直しにより、その時々の米の相場や経営環境の変化の影響を受けない経営の確立を図りたいと考えている。
協会は、生産者の米を販売するために創立した会社であるから、その米の強みを最大限に提案できなければ、存続もありえないと考えている。

協会の生産者会員が栽培した、おいしく安全で安心できるお米や、加工食品の販売ができず、価格の安い米の販売を中心に事業計画を立てるようでは、大手の米屋に勝つことはできないと考えるべきだ。そのために、協会の経営方針の再構築により、商品戦略、販売戦略、提案方法の再点検に取り組む。

# by a-wakui | 2008-07-09 16:38

「国の政策の変化」   

協会には連日のように、新聞・テレビ・雑誌等の取材が来る。当然のことながら、全てが食糧問題に関する内容だ。
食の安全と安心に関すること、米政策のこと、これからの日本の農業のこと、そして最近では、米粉の利用についての話題も多い。

協会創立以来21年間、様々な取材を受け、その時々に応じて自分の考えを述べ、今日に至っている。
私は、様々な情報を得て自分の経験を併せ、これからの農業の方向性を考え、その方向性に対応するように協会や自分の行動を変えてきた。しかしながら、国の政策は急速に変化することはできないので、急速な変化を思わせながら、時には後戻りすることもありとてもまどわされた。

今回の国の政策の変化の理由は国際圧力であり、国際世論の高まりであるから、国としては外圧の力を借りて、政策の方向性を変えるチャンスとも考えているのかも知れない。それは、40年間続けてきた減反政策の見直しであり、これから21世紀に向けた日本の農業政策の再構築の出発の年になるのではないか。

今回の農業政策に失敗したら、日本の農業は復活できなくなるだろう。その理由は、農業者の高齢化により、再チャレンジするエネルギーが残り少なくなっているからだ。

# by a-wakui | 2008-07-08 15:44

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