「経営者の役割」   

このままいくと、新米収穫まで米不足の状況が続き、一般的に新米価格が上がり、
新米がいきわたった時点から米価は急速に下がることになるのではないか。
一時的な米価の上昇は農家にとっての利益は少ない。その時その時の相場だけで米価を考えるのならそれで良いが、経営として考える場合、一時的な値上がりにより、購入してくれるお客様をなくしてしまっては何にもならない。

協会でも米価の値上がりにより、どうしても小売価格を上げなければならず、結果としてお客様をなくしたことが何度もある。そうは言っても、米は1年に1回の収穫であるから、一番高い価格で販売したい気持ちは当然のことである。
協会も農家の気持ちに応えられるよう、全力を挙げて販売努力をしなければならない。

新米期まで1ヶ月になったが、どのような新米価格になるかはわからない。
米価は毎年のように変わるが、米価の変化に左右されない経営を確立するためには、付加価値のある商品を作らなければならない。

付加価値とは何か。商品そのものの価値か。商品を取り巻くものの価値か。その付加価値を見つけ、また創造することが経営者の役割である。

# by a-wakui | 2008-08-09 08:50

「米価の変動」   

協会の営業所を通して、全国の量販店や外食店から新規の取引の問い合わせが入るようになった。価格的には低価格米が多いが米価の変動は低価格米の不足が始まり、低価格米の値上がりが始まる。そして、全体の米の値上がりが始まる。

米の在庫は政府に100万トンしかない。1年間の生産量が820万トンなので、1.5ヶ月分の在庫しかないことになる。米は1年に1回しか収穫できないため、100万トンの在庫では、少し消費量が増えればたちまち足りなくなる。

一般流通で19年産米が不足し困っているが、政府の倉庫には19年産米が100万トンもある。本当におかしな話である。

# by a-wakui | 2008-08-08 10:29

「米不足」   

米が売れるようになったのに、売る米がなくなったという変な現象が起きている。
昨年の米価の下げに対応するため、JAグループが政府に対して緊急の買上げを要請し、30万トン以上もの19年産米が備蓄用に、10万トンが加工用米として買上げられた。

そのため、各JAの倉庫から在庫の米がなくなった。例年、JAの在庫の米を当てにしていた全国の中小の卸は、新米期までの米が手に入らないことに慌てた。
そのため政府に対して政府米の払い下げを要請し、6月、7月と4回の入札を行ったが、価格が高いばかりでなく量も少なかった。
そのため次の入札を期待したが、8月は平成17年産米だけになり、19年産米の入札はなかった。

19年産米を待っていた人達は、手に入らないので、新米までの米が不足することになる。
特に秋田県においては、19年産あきたこまちが店頭からなくなることになる。店頭にはないが、政府の倉庫には7万トン近い19年産あきたこまちの在庫がある。

# by a-wakui | 2008-08-07 14:26

「伸びる消費量」   

8月に入り、次々と様々な物価の値上がりが始まったが、米の消費はどんどん伸びているという。昨年まで米の消費量は年間9万トンも減っていたが、今年の1月からは、年間20万トンも伸びているという。
米の消費量の伸びに合わせ、「ふりかけ、のり、お茶漬けの素、レトルトカレー」等、ご飯を簡単に食べるための副食品の売り上げが20%増になっているそうだ。

「米が売れる時は不景気な時」と言われるが、本当にそう実感する。そうすると米が売れるようになるには、もっと不景気になれば良いことを願うのは、良いことか悪いことか。

# by a-wakui | 2008-08-06 08:37

「毎年が初めての米づくり」   

今年は田植え中の天候が悪く、苗の生育が遅れた。そして6月下旬までは、稲は例年比90%ぐらいの生育状況だったが、7月上旬から気温が上がり、夜温も上がりはじめたら急速に生育が回復し、7月中旬には例年以上の生育となり、現在は生育過多で倒状の危険性が出てきた。
稲が大きくなりはじめたら、稲の大敵であるイモチ病の発生も始まった。

毎年毎年同じような栽培をしていても、天候は毎年変わるので、米づくりは毎年が初めての経験だ。

今年は、いつもより2週間も早く3月中旬から農作業を始めた。田圃のプラウ耕、レーザー整地と、1ヶ月も田圃生活、そして代かきへと最後の仕上げに向かったが、田植え後の結果は、田圃のあちらこちらに浮かぶ土の丘が、松島湾に浮かぶ島々のようだ。

私は、機械の運転は何年たっても上手にならず、初めてトラクターに乗る人より下手だから嫌になる。
天候と同じように、私のトラクターの運転も毎年のように変わる。慣れた頃には、その年の仕事も終わり、また来年頑張ることになる。

# by a-wakui | 2008-08-05 16:01

「収穫までの天候」   

今年は、秋田で1番早くお客様に「新米あきたこまち」をお届けしたいと、例年より2週間早く種を播き、4月28日から田植えを始めた。
種播きと田植えは2週間早かったが、出穂期は1週間程早く、走り穂が7月25日、出穂期(30%出穂)が7月30日になった。

早く収穫するため、早く種を播き田植えをする他に、追肥をしないで稲の肥料濃度を低く抑えた栽培をしたため、収量は低くなるかもしれないが、収穫は10月10日を予定している。一般の収穫期は10月の20日頃から始まる。

しかし、米の収穫時期はその年の天候に左右されやすいので、出穂から収穫までの天候が大事になる。

# by a-wakui | 2008-08-04 14:22

「本物の食糧政策」   

21世紀は、食の世紀であるとは20年以上前から言われている。20年前は食の時代だとは
言われても、言葉の重要性がよく理解できていなかった。

今考えてみると、現在60億人の人口は、アフリカやアジアの人口増により2050年には90億人になることが予想されている。反対に、世界の食糧増産可能な面積は、砂漠化により、現状より増やすことができないと言われている。

そのために、遺伝子組み換え技術により、食糧の飛躍的増産技術の開発を主張する国と、
自然環境を破壊することになると反対する国とが対立することになる。

世界は、現在でも食糧供給のバランスが悪く、片方に余る国がありながら片方には不足する
国がある。このまま人口が増え続けると、絶対的に食糧が足りなくなる。

日本は、世界一の食糧輸入国でありながら、主食用の米を減反し、先進国の中では食糧自給率が一番低い。そして、年間で1千万トンもの食糧を廃棄していると言われている。日本は今まで、お金さえあればいくらでも安い食糧が自由に輸入できると考えていた。しかしその空想は、世界情勢の変化の中で、夢物語であったことに気づかされることになった。

世界の変化は、日本のような食糧に対する認識が許される状況ではなくなった。
世界の状況が変わったのか、前からこうなることがわかっていたのかは別として、食糧に対する世界観が大きく変化したことは間違いない。

しかしながら、食糧に対する世界観の変化は、日本の食糧政策の再構築のために、本物の食糧政策が語られる舞台ができたと言えるだろう。

# by a-wakui | 2008-08-03 09:17

「求められる変化」   

将来の日本農業は、過去10年間の延長線上にあるのではなく、劇的な変化を求められて
いる。

仮に、日本の農家の全てが、過去の延長線上に将来の農業の姿を考えているとしたら、
日本の食糧自給率は10%以下まで落ち込むことになるだろう。それは、90%以上の農家が
農業の継続ができなくなり、耕作を放棄することになるからである。そして農地の価格は下がり、一部を除いて資産価値も激減していく。

反対に、日本に100ha・1000ha・5000haの農業法人が現れ、耕作可能な面積をフルに
活用することになれば、農地の資産価値は上昇することになるばかりでなく、労働の場も
増えることになる。一定価格の農産物が大量に生産されれば加工産業も発展し、労働の場も
確保できるからである。

# by a-wakui | 2008-08-02 17:19

「将来の農業経営」   

農業経営に携っている方は、過去の延長に将来の農業があると考えているかもしれないが、
本当にそうなのだろうか。

一般の企業において、社会的にも一流企業と認められた会社の社長が、社会の変化に対応しきれず、何人もの人が社長の座を追われているのはなぜか。

それは、過去の成功の延長に将来があると考え、社会の変化に対応できなかったからである。
日本の多くの農業は産業としてより、生業としての農業であるから、社会の変化に対応しなくても、また自然に農業をやめても社会に大きな影響を与えず、自分の経営に対しても大きな影響を与えない。

しかし、30ha・50ha・100haの経営になったら、経営の判断ミスは大きな負債を背負うことになり、自分の人生をも狂わせることになる。
将来の農業経営者には、経営の変化への対応が求められている。

# by a-wakui | 2008-08-01 11:59

「これからの農業経営」   

私は、大規模経営とは最低1万haだと考えている。その経営は水田を資産として所有するのではなく、米を育てる道具として考えることが必要である。
トラクターは田圃を耕耘したり代かきをする道具であり、田植え機は田植えをする道具である。また、コンバインは稲を刈る道具である。同じように、水田は米を育てる道具であると考えなければならない。

農地を購入するのは一般的には数十haまでである。100haを超えるようになれば数十億円になり、1000haは数百億の借入金を抱えることになる。
農業は数十億円の借金をし、数百億円の借金をすることで利益が回収できる産業ではない。農業は生産の場において、極力コストを下げるようにし、加工や販売の面において積極的な投資をしなければならない。

これからの農業経営は、可能な限りのコスト削減によって、初めて存在が許される産業になるのではないのか。

# by a-wakui | 2008-07-31 14:45

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